「ハイブリッドカーは燃費が良い」と聞いたことないでしょうか?
その一方で、ハイブリッド車はガソリン車よりも少しお高めとも言われます。
ハイブリッド車とガソリン車を買うとではどちらがオトクなのか…。
また、車の乗り方によってはハイブリッド車が合う人、合わない人がいます。
なのでハイブリッド車とガソリン車の違いを比較し、
どういった人にハイブリッド車が向いているのか調査しました!
合わせて、実際に筆者の乗っているハイブリッドカーの「ヴェゼル e:HEV」の実燃費も見てみると、
どういう走り方が燃費が良いのかも分かってきました。
ハイブリッド車って燃費が良いってことは知ってるけど、他にはどんなメリットがあるんだろう…
ガソリン車と比較すると車両価格の違いや税金など、色々良い点や気を付けたい点があるよ!
本記事では、ハイブリッド車とガソリン車の違いや金額の差、ヴェゼルの燃費、ハイブリッド車に向いている人について解説します。
- ハイブリッド車とガソリン車の違いが知りたい方
- ハイブリッド車とガソリン車の差額を燃費で回収するのにかかる走行距離が知りたい方
- ヴェゼルの燃費が気になる方
- どういった人がハイブリッド車に向いているか知りたい方
ぜひ参考にしてみてください!
ガソリン車とは?
名の通りガソリンを動力源としてエンジンだけで走行する車のことです。
ごく一般的な車の種類です。
車種によってハイオクや軽油など決まった油種を入れる必要があります。
ガソリンをエンジンの中で燃焼させピストンを動かし、タイヤを駆動させます。
ディーゼル車って何?
ガソリン車とは別で聞くディーゼル車ですが、
ディーゼル車は主にエンジンの構造がガソリン車とは違います。
ガソリン車は簡単に言うとピストン内に空気とガソリンを送り込んで圧縮させ、
その圧縮された混合気に着火してピストンを動かします。
一方ディーゼルは空気を圧縮させ高温になったところに軽油を噴射し、燃焼・膨張した力でピストンを動かします。
この違いによってディーゼルは排気量を大きくすることができるため、
パワーが必要なトラックやバスなどの大型車の多くがディーゼルエンジンです。
燃料はガソリンではなく軽油を使うので燃料費は安い反面、車両価格が高いという点もあります。
ハイブリッド車とは?
ハイブリッド車とは、2つの動力源を持つ車のことを指します。
一般的にガソリンで動く「エンジン」と、バッテリーで動く「モーター」を組み合わせて走る車です。
モーターがエンジンが苦手とする部分を補うことで、効率的に燃料を消費できるようになります。
そのためCO2や排ガス量を抑えられ、ガソリン車よりも環境にエコであると言われています。
ハイブリッド車の種類
ハイブリッド車には大きく分けて3つの方式が存在します。
- シリーズ
- パラレル
- スプリット(シリーズ・パラレル)
シリーズ
シリーズ方式はエンジンで発電した電力をバッテリーに蓄電、電力でモーターを駆動させて車を動かします。
エンジンがバッテリーの蓄電のみとなっており、駆動はすべてモーターが担うため、
ほぼEV(電気自動車)の乗り心地になっています。
パラレル
パラレルは、走行時ではエンジンが主体、モーターが補助に回る方式です。
エンジンが苦手とする発進・加速をモーターがサポートすることで、
燃費を良くすることができます。
スプリット
スプリット方式はシリーズ・パラレル方式とも呼ばれ、エンジンとモーターを状況によって使いわける方式です。
主に発進・加速時はモーターのみが行い、高負荷(坂道)や高速走行時はエンジンが行うことでより効率的に燃料を消費することができます。
e:HEVって?
ホンダ車のハイブリッド車に搭載されている「e:HEV」ですが、
これはシリーズ方式とスプリット(シリーズ・パラレル)方式の良いとこ取りを狙った方式です。
まず、エンジンが苦手とする発進・加速だけでなく、ほぼ日常の走行をモーターが担います。
これだけ見るとモーターが駆動を担うスプリット方式に近いですが、
高速走行時のみエンジンが主体となり駆動するため、エンジンが最も効率的に動ける場面のみに絞って
エンジンを利用している方式です。
ハイブリッド車にもいくつか種類があるんだ!
それぞれ特徴があるけど、電気が燃費を助けるという点は変わらないね
ハイブリッド車とガソリン車の違い
ハイブリッド車とガソリン車では、動力源の違いからそれぞれ特徴が異なっています。
ここでは特に大きな3つの違いを見てみましょう!
- 燃費性能の違い
- 税金の違い
- 車両価格の違い
燃費性能の違い
ハイブリッド車は一般的に発進・加速時にモーターがサポートし、速度が安定してきたらエンジンに切り替わるため、燃料を効率よく消費できることから、ガソリン車に比べて燃費が良いとされています。
燃費が良いためガソリン代も安く抑えられ、環境とお財布にもエコな車です。
税金の違い
ハイブリッド車は環境性能の高さから、購入時に減税措置が設けられています。
主に自動車税・自動車重量税・環境性能割の3つが対象となっており、車種ごとの環境性能によって異なりますが、
環境性能割と自動車重量税が免除、自動車税が75%(軽自動車の場合50%)の軽減となります。
車両価格の違い
ハイブリッド車はエンジン以外にも駆動用モーターとモーターを動かすバッテリーなどが搭載されるため、
ガソリン車に比べて車両価格が高いです。
そのため、減税措置やガソリン代の安さという面だけで選んでしまうと、
実はガソリン車のほうがオトクだった…ということもあります。
また、ハイブリッド車のモーター駆動用バッテリーはエンジンバッテリーのように寿命があり、
その交換・修理費用は数十万円と高額になっています。
ただし、車両価格が高いため、同じ車種でもハイブリッド車のほうが売買価格も高いです。
同じ車種での金額を比較!どれくらい走れば元が取れる?
ここではシンプルに車両価格と初年度の税金でコストを算出して、
その差額をガソリン代で回収する場合どのくらいかかるのか目安として出してみます。
以下の車を新車購入したと仮定して比較します。
車種:新型フィット(2020年発売)
ハイブリッド車:フィット e:HEV HOME (FF)
ガソリン車:フィット HOME (FF)
e:HEV HOME | HOME | |
---|---|---|
①新車購入価格 | 約225万円 | 約190万円 |
②自動車税 (フィットはグリーン化特例対象外) | 30500円 | 30500円 |
③自動車税環境性能割 | 0円 | 47200円 |
④自動車重量税 | 0円 | 36900円 |
①+②+③+④ | 約2,280,500円 | 約2,014,600円 |
燃費(WLTCモード) | 29km/L | 18.5km/L |
1万km走行時のガソリン代 (リッター165円と仮定) | 約5.7万円 | 約9万円 |
車両価格と税金での差額は「約265,900円」となりました。約26万円程度とします。
この26万円をガソリン代だけで元を取ると考えた際、
1万km走った時のガソリン代の差額が3.3万円とすると、
「約8万km程度」走るとガソリン代だけで回収できる計算になりました。
売却費にもよりますが、5年くらいで買い換えたいと考えている方で、
走行距離が少ない場合だとガソリン車のほうが安く済んでいる可能性がありますね。
実際に燃費をチェックしてみよう
筆者の乗っている二代目(新型)ヴェゼルはe:HEVと呼ばれるハイブリッド車です。
カタログスペック上だとWTCLモードで「25.0km/L」となっています。
HondaTotalCareアプリからだと2か月分の燃費情報が見れるので、
実際どの程度のものか確認してみます!
2月の走行した日から、分かりやすいものだけ抜き出しました。
雨で気温が低く、走行距離が短かった日
まず2/6(火)ですが、この日は近場のチョイ乗りだけでした(パートナーの送迎)
この日は「雨」で、気温も1桁台でかなり寒く、暖房を使っていたため燃費にかなり影響しています。
基本的に冬場でかつ短距離のチョイ乗りはエンジンの暖機運転が増える傾向があるため、
燃費が悪くなると言われています。
低速走行の多い街乗りはモーターが多く働くため燃費は良くなると言われていますが、
暖房で燃料が使われる中、短距離だとエンジンを温めることも難しいため、ハイブリット車でも燃費が悪くなりました。
また、こういった走り方は燃費だけでなく車にも相当負荷がかかるので、あまりよくは無いですね…。
長距離の移動で高速走行が多かった日
2/11(日)は小旅行で神奈川~茨城に遊びに行った日です。
(実際には帰りなので茨城→神奈川が正しいですが)
東名~首都高~常磐~北関東を通るルートで、途中パーキングに寄りましたが、
走行時間の半分以上は高速道路上にいました。
高速度域だとエンジンが主体となり、モーターが使われないため、
むしろ純粋にエンジンにだけ燃料を使っているという結果か、燃費はそこまで良くありません。
ヴェゼルのカタログでも高速道路モードだと燃費がWTCLモード以下になっていますので、
高速道路での移動では燃費があまり良くないというのは正常な値かと思われます。
長距離だが街乗りと高速走行のバランスが良かった日
2/18(日)ですが、こちらは神奈川から上野へ向かい、そこから埼玉へ遊びに行った日です。
神奈川から上野へ向かう際には首都高、上野から埼玉は国道や県道で向かいました。
そのため、ストップアンドゴーの多い街乗りと、
安定速度で走行できる時間がバランス良くあった日です。
モーターの駆動とエンジンの駆動が効率良くできていたおかげか、かなり燃費が良い結果になっています。
走り方をもっと工夫すれば安定して低燃費を維持できそうです。
体感ですが、80~90km程度でかつ長時間走行の場合だと燃費が良い傾向です。
ハイブリッド車に向いている人・そうでない人
ハイブリッド車は燃費や税金の面でガソリン車より有利な一方、ハイブリッドシステムなどにより車両価格が割高です。
それを踏まえてどういった方にハイブリッド車が向いているのかまとめてみました。
- 車を毎日、もしくは長距離乗る人
- 毎月のガソリン代を抑えたい人
- 車の走行音が気になる人
車を毎日、もしくは長距離乗る人
車を毎日運転する、もしくは長距離乗る人はハイブリッド車が向いています。
また、ストップアンドゴーの多い街乗りが多い場合は、モーターが駆動を担う低速走行が多いため、
使う燃料を少なくできることから燃費が向上します。
ただし、長距離が多いと言っても、バイパスや高速道路での移動が多い場合は、
エンジンの利用が多くなるため燃費があまり良くありません。
維持費を抑えたい人
ハイブリッド車は車にかかる税金が一部優遇されるほか、ガソリン代も抑えられるため、
当面の維持費を抑えたい人に向いています。
ただし、長期間乗る場合気を付けたいのが駆動バッテリーの寿命です。
駆動バッテリーはよく聞く12Vのエンジンバッテリーとは違い、修理費用が高額になります。
中古車でハイブリッド車の購入を検討している方も、注意が必要です。
走行音が気になる人
ハイブリッド車はモーターの駆動により、ガソリン車よりも走行音が静かという面があります。
夜中に住宅街を走るのが気が引ける…という方には静かなハイブリッド車は合っているでしょう。
ただしエンジン音が静かなため、走行中はタイヤのロードノイズなどが際立つようになります。
また、外からだと車の存在に気付きにくいため、気を使う場面も多いです。
どれくらい静かなのか気になる方は、一度試乗などしてみるのも良いかもしれません。
マイカー以外も検討してみよう
そもそも車に乗る機会が少ない場合、マイカーを所有するよりもカーシェアやレンタカーを必要な時に利用するほうがトータルで安く済む場合もあります。
車は頻繁に必要ではないけど、気軽に利用したい場合はカーシェアも検討しても良いかもしれません!
まとめ
本記事では、ハイブリッド車とガソリン車の違い、車両価格の差を燃費で回収するにはどれくらい走ればいいのか、ヴェゼルの実燃費、ハイブリッド車に向いている人を解説しました。
- ハイブリッド車とガソリン車の違い
-
大きな違いを3つ取り上げました。
- ハイブリッド車はガソリン車よりも燃費が良い
- ハイブリッド車は自動車税の一部が優遇される
- ハイブリッド車は車両価格がガソリン車よりも高い
- 車両価格の差を燃費で回収するには?
-
新型フィットを例に挙げて、ハイブリッド車とガソリン車の差額を燃費で回収するには、
約8万km走ると燃費の差でハイブリッド車がオトクになる計算となりました。
(条件によって変わります) - ヴェゼルの燃費をチェック
-
短距離で寒い日(暖房を利用した日)はかなり燃費が悪く、
高速道路での移動が多かった日もそこまで燃費は良くならなかった。信号などでストップアンドゴーの多い街乗りで長く走った日は燃費が良くなりました。
- ハイブリッド車が向いている人
-
- 車を毎日、もしくは長距離乗る人
- 毎月のガソリン代を抑えたい人
- 車の走行音が気になる人
ハイブリッド車は確かに燃費が良く、税金も優遇されてオトクに見えます。
しかし、短距離や短期間で車を乗り換えたいと思っている場合は、
車両価格が安いガソリン車のほうがトータルのコストでは安い場合があります。
走る距離や乗る期間を検討した上で、
ハイブリッド車の特徴やメリットが受けられるか判断すると良いですね!